ダイヤは海底で眠っている?クロムハーツ・カスタムを支える原石探しの未来とは
クロムハーツにカスタムする宝石といえば
相変わらず、ダイヤが人気No.1です。
私石津も、愛用中のリングには
すべてダイヤをセッティングしています。
今、こんな風にカスタムを楽しむことができるのは
ダイヤの採掘技術が進歩したからに他なりません。
といっても…
「なにが進歩したのか?」
「ダイヤの採掘って、実際どうすんの?」
これらの問いに、正確に答えられる方は
あまりおられないのではないでしょうか?
人間がダイヤの原石を初めて目にしたのは
紀元前4世紀頃だったといいます。
その歴史はインドから始まりました。
そして21世紀、人とダイヤの関係も
少しずつ変わってきたのではないかと思います。
ということで今回は、GIA G.G.の私石津が
現在のダイヤ採掘をテーマにお届けします。
※GIA G.G.…米国宝石学会宝石鑑定士
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◇◆ダイヤを求めて◆◇
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さて、早速ですが、天然ダイヤを探す方法は
おおまかに次の3種類あります。
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(1)パンニング
(2)パイプ鉱床からの採掘
(3)漂砂鉱床(ひょうさこうしょう)からの採掘
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この中でも、意外に認知されていないのが
(3)の“漂砂鉱床”。
タイトルにも書きましたが、
これは“海底からダイヤを採掘する”というもの。
実は、海には地球が育んだ宝が、ひそかに集まっているのです。
では(1)から順に、人類が編み出してきた
ダイヤを探す3つの方法をご説明します。
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◇◆(1)パンニング◆◇
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まずは“パンニング”。
名前は聞き慣れないかもしれませんが
これは、最も原始的なダイヤ原石の入手法です。
平たい器(pan)で川底の土砂をすくい、
土や砂利を洗い流してダイヤをより分けるというものです。
人が濁った川に足を浸け、皿の様なものを揺らしている光景を
TVや何かで1度はご覧になったことがあるでしょう。
ダイヤは比重が大きいので、器を揺らせば底に沈みます。
そして、上の方の軽い土砂だけを、流して除けばいいのです。
砂金を探すのと同じ要領です。
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◇◆労力に見合わない?◆◇
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しかし、パンニングは非常に効率が悪いので
現代では廃れています。
頑張っても、あまり大きな宝石とは出会えないのです。
ちなみに、パンニング用の器は
通販サイトなどで、たくさん販売されています。
日本では、おそらくダイヤは見つからないと思いますが;
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◇◆(2)パイプ鉱床◆◇
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ダイヤ探しの歴史の中で
パンニングに代わり主流になっていったのが
“パイプ鉱床”からの採掘です。
地表から垂直に大きな穴を掘り、
地中の奥深くにあるダイヤを掘り当てる方法です。
深さは、今のところ500m~1kmくらいが限界のようです。
そもそもダイヤは、地下140~190kmのマントルでできるもの。
だから、ダイヤを含む溶岩が、噴火などで
浅いところまで移動してきてくれないと採れないんです。
まぁ“浅い”と言っても
東京スカイツリーが634mですから…
同じくらいの距離を掘り下げるとなると
ちょっと気が遠くなります。
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◇◆ダイヤの母岩“キンバーライト”◆◇
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ダイヤの原石は“キンバーライト”という岩石に含まれた状態で採掘されます。
キンバーライトは、かつて“マグマの通り道”だったところにあります。
つまり、そこ(パイプ状の岩石)を狙って掘れば
たくさんのダイヤが見つかるというわけです。
私の母校であるGIA(米国宝石学会)のHPに
キンバーライトの良い画像があります。
↓GIA公式HP ぜひご覧ください。
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【微小インクルージョンによりダイヤモンドの年齢と地球の歴史が明らかに
:カーネギー研究所による研究】
https://www.gia.edu/JP/gia-news-research-tiny-inclusions-reveal-diamond-age
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
※ダイヤの結晶は八面体であり、
横から見ると“ひし形”に見えます。
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◇◆圧倒される輝き◆◇
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もちろん、パイプ鉱床では
大きなダイヤの原石を入手できる可能性はグンと上がります。
例えば、以下の様なサイズのダイヤは
パンニングでは、ほとんど見つけることはできないでしょう。
↓カスタム史上最大のダイヤをご覧ください。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【ラージCHクロスペンダント1ダイヤ】
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◇◆パイプ鉱床はデンジャラス?◆◇
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ただ、パイプ鉱床は
鉱脈の発見から約50年程度で閉山することが多いんです。
世界中の主要な産出地でも
宝石は無限に採掘できるものではありません。
限りある天然資源なのです。
また、あまり大規模に採掘を行えば
崩落などの危険性も高くなります。
ですので、パイプ鉱床の数は、近年やや減少傾向にあります。
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◇◆(3)漂砂鉱床◆◇
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そんなわけで、いま注目すべきなのが
冒頭でも触れた“漂砂鉱床”です。
読んで字のごとく、
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漂う砂とともにダイヤが運ばれ
海底や川底に堆積(たいせき)してできた鉱床
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なんです。
これは、キンバーライトが長い年月をかけて
風化されながら、河川や海に流れだしたということ。
※ダイヤ自体は強いので風化されません。
どれほど長いかというと、数千年とか、そういうレベルです。
川の流れとともに移動した原石は
元の場所から遥かに離れた海底で眠っているのです。
また、一度海に流出した原石が、再び海岸に打ち寄せられて
海岸沖積層で鉱床となることもあります。
※沖積層(ちゅうせきそう)
…河川や海の働きにより形成された新しい地層。
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◇◆メリットだけではないけれど◆◇
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現在、漂砂鉱床での原石探しは
主に南西アフリカの海岸などで行われています。
ブルドーザーやパワーシャベル、吸引機を使い
ダイヤが含まれた砂利を回収するのです。
そのため、漂砂鉱床はパイプ鉱床に比べて
採掘する人々の安全面に優れています。
さらに、海までたどり着いたダイヤは
比較的、品質も高い傾向にあるんです。
ただ、ダイヤが採れる確率は
パイプ鉱床よりも、かなり低いのが実情。
沖積層から採掘されているダイヤは
全体の10%程度にとどまっているそうです。
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◇◆今後の議案◆◇
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ダイヤの採掘方法としては
パイプ鉱床が、まだまだ主流です。
相変わらず、大がかりな機械を用いて岩石を削ったり
爆薬を使ってキンバーライトを粉砕させているのです。
しかし、いつまで地球に巨大な穴を掘り続けるのか?
これは、人類の大きな課題でしょう。
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◇◆右肩上がりのヒストリー◆◇
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インドの河川でたまたま見つかった、ダイヤという石。
最初は、パンニングというアナログな技で
コツコツと原石を探していたのです。
それから、世界各地でダイヤ採掘の試行錯誤。
おびただしい数のトライ&エラーがあっただろうと想像されます;
劇的にダイヤの産出量が増えたのは
パイプ鉱床での採掘が始まった1869年以降です。
南アフリカで、大きな鉱床が発見されたのがスタートでした。
年間数千万カラットのダイヤの供給が実現し
そのおかげで、クロムハーツのカスタムも可能になっているのです。
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◇◆時代にフィットした採掘◆◇
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実際のところ、ダイヤ採掘の現場は
新たな局面を迎えつつあります。
やはり長い目で見ると、パイプ鉱床も
イケイケドンドンという感じではなくなっていくと思われます。
私は今後も、漂砂鉱床での採掘を
積極的に進めていけば良いのではないかと考えています。
実は、パイプ鉱床が見つかる以前に
沖積層を掘ったりしていたこともあるようなのですが…
現代人は経験と知恵で、この採掘法をさらに発展させていくべきでしょう。
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◇◆これから作るカスタムの未来◆◇
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天然ダイヤは、1番古いものは約45億年前、
1番新しいものでも約1億年前にできたものと推定されています。
音速を超えるマグマの急上昇によって
人間の手に届くところへ、はるばるやってきたダイヤ。
色々と考えなければならないことは多いです。
しかし、とりあえずは、高品質なダイヤの存在に感謝。
そして、私石津は、いつも最良の1石を厳選し
皆様にご提供してまいります。
“クロムハーツとダイヤが最も美しく輝くカスタム”
をお望みなら、いつでもクロムカスタム工房へご相談ください。
参考文献:
『ダイヤモンド グレーディング5
ダイヤモンドの探鉱』 GIA Japan
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※加工内容により料金が異なります。
まずは画像をお送りください。
無料でお見積り致します。
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クロムカスタム工房は
加工件数【4,108件】業界No.1、クオリティーもNo.1です。
◆一級貴金属装身具製作技能士
◆GIA GG(米国宝石学会宝石鑑定士)
両方をあわせ持つ店長の石津が、ご要望にお応えします。
どんなことでも、お気軽にご相談ください。
お問い合わせをお待ちしております。
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2. ホームページ更新情報
クロムハーツ4色ボールペン ルビー&ダイヤカスタム
クロムハーツの財布にクロスペンダントを3つカスタム
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■編集後記
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
これからも「クロムハーツの修理&カスタム情報」では、
皆さんに役立つ情報を提供できればと思っています。
ご感想・ご意見など、お気軽にご連絡ください。
では、また次回お会いしましょう!!(石津 雅之)
クロムカスタム工房株式会社
代表取締役 石津雅之 (info@kuromu.com)
◆一級貴金属装身具製作技能士◆
◆GIA GG(米国宝石学会宝石鑑定士)◆
546-0041 大阪府大阪市東住吉区桑津5丁目14-1
(TEL) 0120-958-966
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