技ありメッキにご注意!異素材で作られたクロムハーツ偽物の見分け方《後編》
前回は、鉛(なまり)等でできた
クロムハーツの偽物の特徴をご説明しました。
「鉛のブレス?そんなん、アリかよ?」
と、大半の方が思われたでしょう。
やはり、直営店や正規取扱店以外で
クロムハーツを探すのはリスクが伴うもの。
私石津も、改めてその事を実感しました。
では、今回は“異素材コピー品”の後編です。
密造業者が苦心する(?)メッキの技に
焦点を当ててみたいと思います。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇◆偽物 VS 本物◆◇
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
まずは、先日ご紹介した
フローラルクロス ハートブレスの
偽物と本物を、今一度ご覧ください。
↓鉛と思しき金属に銀メッキをした偽物です。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【フローラルクロス ハートブレス偽物】
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
↓ダイヤをカスタムした本物です。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【フローラルクロス ハートブレス本物】
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
いかがでしょうか?
「やっぱり、なんか造りが雑いな~?」
という印象をお持ちになったら、
その感覚を大事にしてください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇◆鉛 + 銀 = イマイチ?◆◇
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
さて、本題です。
偽物は、シルバー925らしく見せるために
銀メッキをしてあります。
しかし、実際は、鉛に対してダイレクトに
銀メッキを施しているのではありません。
結論から言いますと
次の3種のメッキを(1)から順に重ねてあるんです。
~~~~~~~~~~~
(1)銅メッキ
(2)ニッケルメッキ
(3)銀メッキ
~~~~~~~~~~~
装飾品にメッキする際は
基本的に“電気メッキ”です。
メッキになる金属のイオンを含む水溶液中に
アクセサリーを浸けて、電解するんです。
それを繰り返すわけですが、
なぜ、こんなにも手間をかけるのでしょうか?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇◆《下地》銅メッキ◆◇
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
まず、トップバッターの銅メッキ。
実は、銅を下地にするのは
“メッキ業界あるある”です。
なにか他のメッキをする際も
下地として、よく銅メッキをします。
そうすることで、
仕上がりの光沢や滑らかさを調整するんです。
しかし、件の鉛ブレスレットの場合は
銅メッキをする大事な理由がもう1つあります。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇◆鉛色じゃイヤ◆◇
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
それは、色の問題。
鉛は、青みを帯びた灰色ですが、ダーク過ぎるんです。
鉛に、いきなり銀メッキをしても
色が少し鈍くなってしまいます。
通常のメッキは、ミクロン単位の大変薄いもの。
(※1ミクロン=1ミリの1000分の1)
意外かもしれませんが、
下の地金の色が、思った以上に影響します。
ですので、最初に銅メッキを施して
ライトな赤褐色にします。
それで、次に重ねる色の発色も良くなるのです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇◆なぜ分かった?◆◇
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ところで、一体なぜ、そんな下層メッキの
種類が判別できたのでしょうか?
それは、単純に「見えたから」です(笑)。
実物をじっくり観察すると、ほんの少し
メッキの剥がれかけた部分が見つかりました。
そこに、銅の赤っぽい色目が、
わずかに確認できたんです。
それで、下地として銅メッキが施されていたと確信しました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇◆《中間層》ニッケルメッキ◆◇
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
銅の次は、ニッケルメッキです。
なんで、ニッケルをかませるのか?
それは主に“硬度を出すため”です。
ニッケルは耐食性に優れているうえ、割と硬いんです。
※耐食性…腐食に対する強さ、サビにくさ
しかも、様々な金属への密着性が高く
中間層や下地としても、よく用いられます。
色もシルバーに近いですし、
シルバーの下には、もってこいと言えます。
下地は銅、表面に銀、といえば
中間層は99.9%ニッケルでしょう。
ただ、高価なロジウム等とは異なり、
ニッケルは変色しやすいし、アレルギーにもなりやすい。
メッキが剥がれてきた時に
ちょっと心配な金属ではあります。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇◆《表面》銀メッキ◆◇
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
やっとこさ目的のシルバーです。
あらかじめ銅とニッケルを施しておけば
銀メッキの定着もバッチリ。
シルバーの色も最大限キレイに見えます。
このように、各金属の性質を活かして
“層”にするのがミソなんです。
ちなみに、鉛は柔らかすぎて磨けないでしょうから
おそらく下層の銅メッキをした“後”に
磨いて小キズなどを取っていると思います。
その磨きの丁寧さも、仕上がりのクオリティーを左右します。
安価な素材で、本物らしいものを作るには
こんな風に手間ヒマかけるのも当たり前。
あれこれ工夫して、見栄えのいいコピー品が
完成するというワケです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇◆ゴールドは?◆◇
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ラストに、22Kゴールド製品の異素材コピー品についても
少し触れたいと思います。
ゴールドの場合は、おそらく
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
“真鍮(しんちゅう)+ 金メッキ”
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
というパターンが多いかと思われます。
真鍮は、銅と亜鉛の合金ですが
別名“黄銅(こうどう)”ともいいます。
つまり、カラーがゴールドに近いので
金メッキの製品を作るには都合が良いんです。
もちろん金よりは、ずっと安価。
さすがに、正規品と同じ22Kゴールドで作った偽物は、ほとんど無いでしょう。
そこは、シルバーとは事情が異なります。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇◆要注意のネットショッピング◆◇
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
密造工房のメッキ・テクニックについて
皆様、ご理解いただけましたか?
おそらく、今もなお、この世のどこかで
とんでもない偽物が作られていることでしょう。
鉛や真鍮とは全く別の合金を使っている商品も、あるかもしれません。
そして、ネット上では、偽物が堂々と
“正規品”と謳って販売されていたりします。
オークションやフリマアプリの闇も
もはや把握しきれない状態です。
本当に、気を付けていただきたいと思います。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇◆Go to CHROME HEARTS◆◇
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
私石津は、買い物をする際は
基本クロムハーツ大阪へ行きます。
お客様の購入代行をする際はもちろん、
自身の欲しい物を入手する際も。
当たり前の話ですが、
“クロムハーツの直営店・正規取扱店”
で購入するのが100%確実だからです。
リーズナブルだけど不安、というのでは
真のクロムハーツ・ライフは楽しめません。
クロムハーツを愛する方は、これからも
“Let’s go to CHROME HEARTS!”
そして、その後のカスタム&メンテは
全てクロムカスタム工房におまかせください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※加工内容により料金が異なります。
まずは、画像をお送りください。
無料で見積り致します。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
クロムカスタム工房は
加工件数【4,108件】業界No.1、クオリティーもNo.1です。
◆一級貴金属装身具製作技能士
◆GIA GG(米国宝石学会宝石鑑定士)
両方をあわせ持つ店長の石津が、ご要望にお応えします。
どんなことでも、お気軽にご相談ください。
お問い合わせをお待ちしております。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
2. ホームページ更新情報
キーパーペンダント 十字にダイヤカスタム
止まらないお客様の声21(385件)
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
■編集後記
______________________
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
これからも「クロムハーツの修理&カスタム情報」では、
皆さんに役立つ情報を提供できればと思っています。
ご感想・ご意見など、お気軽にご連絡ください。
では、また次回お会いしましょう!!(石津 雅之)
クロムカスタム工房株式会社
代表取締役 石津雅之 (info@kuromu.com)
◆一級貴金属装身具製作技能士◆
◆GIA GG(米国宝石学会宝石鑑定士)◆
546-0041 大阪府大阪市東住吉区桑津5丁目14-1
(TEL) 0120-958-966
______________________
メールマガジン「クロムハーツの修理&カスタム情報」
☆発行責任者:石津雅之
☆公式サイト https://www.kuromu.com/
☆バックナンバー https://goo.gl/MMRTE1
☆メールマガジンの登録、解除 https://www.kuromu.com/blog/archives/7098
☆お問い合わせ info@kuromu.com