クロムハーツ正規品パーツの接合に難あり?3種の強度UPメンテ解説

クロムハーツ正規品パーツの接合に難あり?3種の強度UPメンテ解説

修理前のクロムハーツアップルウォッチバンド
修理前のクロムハーツアップルウォッチバンド

クロムハーツといえば、クールかつワイルド、そして“タフ(強い)”。

一般的には、この様なイメージをお持ちの方が多いかと思います。

しかし、このメルマガでも度々お伝えしてきた通り

クロムハーツならではの“危うさ”も、部分的に存在します。

「突然、パーツが外れてしまった」

なんて経験をされた方も、実際におられるでしょう。

そういったトラブルの原因は、1つではありません。

シルバーという素材自体の強度に限界がありますし

デザイン上、負荷がかかりやすい箇所というものがあります。

しかし、正直なところ、

「ちょっと、この接合はラフやなぁ」

と感じられるお品にも、実は度々めぐり合います。

私石津の眼から見れば“しっかり接合されていなかった”ということです。

残念ながら、それは“ロウ付け不良”です。

ロウ付けは、金属同士を接合する方法の1つで

シルバーアクセサリーの場合は“銀ロウ”という合金を溶かして使います。

銀ロウが、接着剤の役割をするわけです。

今回は、主にこのロウ付け部分の強度不足による破損と

その修理ポイントを解説してみたいと思います。

=====================================

◇◆ロウ付けトラブル3種◆◇

=====================================

まずは、クロムハーツのロウ付けパーツに関するご相談で代表的なものは

おおよそ次の3つとなります。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(1)着脱用の金具が取れた

(2)モチーフが取れた

(3)極小パーツが取れた

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

これらの加工には、それぞれ異なる難しさがあります。

では、さっそく実際の例をご覧いただきましょう。

=====================================

◇◆(1)着脱用パーツの衝撃◆◇

=====================================

着脱用の金具は、様々なアイテムに使用されていますが

ここではブレスレットの例をご紹介します。

↓正規品アップルウォッチ用ブレスです。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

【アップルウォッチバンド 金具修理】

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

美しい各コマのフォルムに、しばし見とれてしまいそうになります。

…が!金具のオス側が、ポロッと取れている!

ということで、これは最初かなり驚かれたものと思います。

2022年にリリースされ、即完売となった希少な逸品。

しかし、接合面を確認させていただいたところ、

やはりロウ付けの仕方に少々問題がありました。

接着剤の役割をする銀ロウが、ちゃんと面の隅々まで行き渡っていない状態だったんです。

付け方がラフだと、ちょっとした負荷で、このように外れてしまったりします。

=====================================

◇◆同じケース◆◇

=====================================

先程のお品と同様に、差し込み金具が取れてしまったブレスをもう1つご紹介します。

これも、オス側のパーツがポロッと外れてしまっていました。

↓実際の画像をご覧ください。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

【マルチリンクブレスレット 金具修理】

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

この様に、差し込み式金具がポロッと外れてしまうのは、滅多にない事です。

(頻発しているわけではないので、過度に心配される必要はありません)

ただ、ご紹介した例はいずれも、れっきとした正規品。

こういうことも起こり得るのだと、知っておいていただきたいと思います。

=====================================

◇◆ロウ付け3大ポイント◆◇

=====================================

基本的に、接合面の強度というのは、手がけた職人の技量に左右されます。

そのため、個体差が出やすい部分とも言えます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~

◆使う銀ロウの種類を選ぶ

◆銀ロウの量を判断する

◆接合面全体に銀ロウを流す

~~~~~~~~~~~~~~~~~

この3つがポイントです。

例えば、融点の低いロウを使えば、接合は容易になりますが、強度は落ちます。

ロウの量が多過ぎたらハミ出すし、少な過ぎたら接合できません。

そして、ロウを狙った面全体に一瞬で行き渡らせることが重要です。

この、どれか1つにでも改良の余地があれば、そのロウ付けは完璧とは言えないんです。

銀ロウを接合面に流し込む際は、アクセサリー本体を高温に熱しますが

その火の当て方やロウを流すタイミングは、経験でつかむもの。

ですから、依頼する店によって、仕上がりは微妙に異なるのです。

パッと見た目は同じでも、耐久性に差があるということです。

※差し込み部分を新たに作り直すか否かは、パーツの状態により判断します。

=====================================

◇◆(2)モチーフは何処へ?◆◇

=====================================

さて、次は大事なモチーフがポロッと取れてしまうケースです。

その中でも特に多いのは、クリップに付いているクロスボールのロウ付けです。

↓実際の画像をご覧ください。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

【クラシックチェーン クリップ ブレスレット クロスボール修理】

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

クロスボールと言えば、クロムハーツの象徴。

これが無いと、クリップのビジュアルも残念なことになってしまいます。

先程の様なブレスの着脱用パーツの外れは珍しいですが、

このクロスボールの“ポロッ”は、結構よくあります。

今まで、何個クロスボールを付け直したか数えきれません;

折に触れてお伝えしておりますが

このクリップのクロスボールには、ちょっと事情があるんです。

=====================================

◇◆さじ加減が難しい?◆◇

=====================================

クリップの中には、細いバネが内臓されているため

そもそも、あまり高温でロウ付け加工することができません。

火を入れ過ぎると、中のバネが死んでしまうからです。

ですから、クロスボールの接合時は、

バネを考慮し、融点の低い銀ロウを使わねばならないんです。

先程も書きましたが、溶けやすいロウは強度が低め。

そのため、クリップのクロスボールは、外れやすくなっているんです。

「あ、そう?自分のクロスボールは1度も外れたことないけど?」

という方は、比較的いい感じにロウ付けがされている

(ロウの量や接合面積がイケてる)お品だと言えるでしょう。

しかし、ちょっとした衝撃が加われば、はずみで取れる可能性もありますから

引き続き大事にご使用いただけたらと思います。

クロムカスタム工房での修理時も、やや融点が低めのロウを使いますが

その量や接合面を配慮し、可能な限り強度を上げています。

=====================================

◇◆(3)ミクロなパーツ◆◇

=====================================

ラストは、極小パーツのロウ付けです。

次の例は、破損後に1度、修理されたお品でした。

↓5、6枚目の画像にご注目ください。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

【タイニー キーパーリンクブレスレット修理】

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

ご覧の通り、NY店でお直ししたものの、すぐまた折れてしまったそうです。

小さなパーツの一部を、ほんの僅かな面積だけ接合するので

これは確かに、強度を出し辛いロウ付けです。

1度目の修理をした職人の方も、苦心されたとは思うのですが、

技術的に限界だったのでしょう。

=====================================

◇◆工夫が必要◆◇

=====================================

クロムカスタム工房にとっても、このミクロなロウ付けは簡単なことではありません。

ですが、容易でないことをやってこその、クロムカスタム工房。

狙うのは、細い棒状パーツ(銀の丸線)の両端2箇所です。

ちょっと細かくて伝わりにくいかもしれませんが、

やっていることは以下のHリンクマルチブレスレットのパーツと一緒です。

↓6枚目の図解をご確認ください。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

【Hリンク マルチブレスとロレックスのコラボモデル修理】

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

お分かりになりましたか?

どちらも、使う銀ロウの量が、シビアに問われる加工です。

Hリンクの大きさでも非常に神経を使いますが、

それが更に小さくなれば、難儀な修理となるのは当然です。

ロウが少な過ぎたら強度が出ないし、

多すぎたらロウがハミ出して、隣のパーツまで巻き込み、えらいこっちゃです。

これもまた、長年の経験と技で、火加減やロウの量を調整するしかありません。

そして、こういうタイプのパーツをロウ付けする際の最大のポイントは

棒状のパーツを半円状のパーツに貫通させること。

棒の断面ではなく、側面ぐるりを接合面とするわけです。

その方が、耐久性も上がります。

=====================================

◇◆ベストなメンテを◆◇

=====================================

クロムハーツのロウ付け問題、いかがでしたでしょうか?

今回の内容は、決してクロムハーツのラフな接合をディスっているわけではありません。

(まぁ、日本の職人的な繊細さとはまた異なる感覚かもしれないな?

と感じる部分も時々あったりしますが…)

とにかく、様々な要因でパーツが外れることもあります、ということを

皆様の頭の片隅に入れておいてもらえたらと思います。

そして、ちょっと強度が不足しているものも、

適切なメンテをすれば蘇るのだとお伝えしたいのです。

“シルバー加工のノウハウ&クロムハーツの構造”

この2つを熟知しながら、圧倒的な修理件数を経験してきた

クロムカスタム工房だからこそ可能な事があります。

「他の工房で修理したけど、また破損した」

「できるだけ強度を高くし、長く愛用したい」

という方は、ぜひ私石津まで気軽にご相談ください。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【修理&カスタム料金】

※加工内容により料金が異なります。

 まずはLINE等で画像をお送り下さい。

 無料でお見積り致します。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

クロムカスタム工房は

加工件数【4,634件】業界No.1、クオリティーもNo.1です。

◆一級貴金属装身具製作技能士

◆GIA GG(米国宝石学会宝石鑑定士)

両方をあわせ持つ店長の石津が、ご要望にお応えします。

どんなことでも、お気軽にご相談ください。

お問い合わせをお待ちしております。

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

2. ホームページ更新情報


クロムハーツ インフィニティCHクロスリング ルビーパヴェカスタム

https://www.kuromu.com/h8xo

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

■編集後記

______________________

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

これからも「クロムハーツの修理&カスタム情報」では、

皆さんに役立つ情報を提供できればと思っています。

ご感想・ご意見など、お気軽にご連絡ください。

では、また次回お会いしましょう!!(石津 雅之)

クロムカスタム工房株式会社

代表取締役 石津雅之 (info@kuromu.com)

◆一級貴金属装身具製作技能士◆

◆GIA GG(米国宝石学会宝石鑑定士)◆

546-0041 大阪府大阪市東住吉区桑津5丁目14-1

(TEL) 0120-958-966

______________________

メールマガジン「クロムハーツの修理&カスタム情報」

☆発行責任者:石津雅之

☆公式サイト https://www.kuromu.com/

クロムハーツのブログ 

☆バックナンバー https://goo.gl/MMRTE1

☆メールマガジンの登録、解除 https://www.kuromu.com/blog/archives/7098

☆お問い合わせ info@kuromu.com