バックナンバー第240号
クロムハーツの高難度ダイヤパヴェTOP5~輝く1列ライン編~

皆様は、ご愛用のクロムハーツに

パヴェダイヤのカスタムをされていますか?

“パヴェ”というのは“石畳”という意味のフランス語。

その名の通り、複数の宝石を石畳のように並べて留めることを“パヴェ”といいます。

モチーフの中央に1石入れるのもシンプルでカッコいいのですが

パヴェの華やかさはまた別物。

そのラグジュアリー感は相変わらず人気で、オーダーされる方も多いです。

そして、私石津は、最近ふと、

これまでの膨大な数のカスタムを振り返り、改めて考えてみました。

“最も難しかったパヴェ”についてです。

そこで今回は、一職人の独断ではありますが

“パヴェの難度ランキング”を発表してみたいと思います。

パヴェ加工の苦心した点などは、アイテム別に度々お話ししてきましたが

トータルで1番大変だったものは、どのカスタムだと思われますか?

以下の2つに分けて、それぞれ1~5位までご紹介します。

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◇1列のライン状に並べたパヴェ

◇広い面に敷き詰めたパヴェ

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まずは1列のパヴェ、次回に面のパヴェTOP5をお届けしますので

皆様も激ムズ・パヴェ1位を予想してみてください!

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◇◆【5位】エタニティ◆◇

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では、さっそく1列パヴェの5位から。

5位は、おなじみのスペーサーリング3mmとNTFLリングです。

これは、全周ぐるりにダイヤを配置し、留めていくというもの。

↓まずは2本のカスタム工程をご覧ください。

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【スペーサーリング3mmエタニティ ダイヤパヴェ】

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【NTFLリング エタニティ ダイヤパヴェ】

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“エタニティ(eternity)”は英語で“永遠”を意味する言葉。

宝石を途切れることなく並べるため、永遠の象徴として結婚指輪にも好まれます。

石の位置を決めるときは、まず中心、次はその対極…という具合に合わせていきます。

基本的に、どんなパヴェカスタムでも

“ダイヤのテーブル(上の面)のガタつきが無いようにする”

ということが重要です。

その点、平面にダイヤを留めるより、

この様な外側の曲面に留める方が、難度がUPするんです。

例えば、スペーサーリング6mmのサイド(側面)にダイヤを入れる方が

いくぶん容易というか、高さは合わせやすいです。

↓参考までにサイドパヴェもご覧ください。

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【スペーサーリング6mmサイドダイヤパヴェ】

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◇◆【4位】追いパヴェ◆◇

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「しょっぱな5位がエタニティなら、この先の上位は一体なに?」

という声も聞こえてきそうですが、

シンプルな1列パヴェも、まだまだ難儀なカスタムがあります。

エタニティより難しい4位は、CHクロスジッポーの“追いパヴェ”です。

これは、もともとセンターに大きなダイヤが入っていたのですが

その周りの左右上下にメレ(小粒)ダイヤをプラスしたというもの。

↓カスタムの工程をじっくりご覧ください。

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【CHクロス ジッポーV1 追加パヴェ】

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このダイヤセッティングの大きなハードルは、

“既にダイヤが入っているアイテムに追加で加工する”という点。

本来なら、周りの小さなメレから攻めていって

ラストにセンターの大きな石を入れるのがセオリーなんです。

その方が、石の配置バランスも取りやすいし、彫り進めやすいからです。

この、いつもと逆の順でダイヤを入れていくというのが

実際、結構骨が折れるのです。

最大のポイントは、追加のダイヤを既存のセンター石に

近付け過ぎないよう気を付けるということ。

ギリギリまで寄せ過ぎると、タガネがダイヤの爪に当たったりして

石が動いたりする可能性もあるんです。

そんなわけで、追いカスタムのパヴェは、なかなか大変なのです。

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◇◆【3位】グラデーション◆◇

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3位は、キーパーペンダントのグラデーション・パヴェです。

これは、小さな石から大きな石へ、徐々にサイズを変えていく留め方。

↓ダイヤの大きさ変化にご注目ください。

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【キーパーペンダント ダイヤパヴェ】

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CHクロスペンダントやキーパーリングなども

石の大きさを変化させながら留めるので、これと基本は同じ。

しかし、なんせこのキーパーペンダントのパヴェは長いです。

計38石のダイヤで、フチをグルッと囲わねばなりません。

石の位置を決める順番は、次の通り。

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(1)左右上下の1番小さい石

  • 四隅の大きな石
  • 中間の石

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この様な、石の大きさにバラつきのあるカスタムは

ダイヤ同士の間隔を決めるのに苦労します。

それは、同じ大きさのダイヤを並べるより、はるかに難しいんです。

隣り合う石が近すぎたり離れすぎたりしないようにするには

経験を積み重ねるしか、道はありません。

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◇◆【2位】美しいけど割れやすい◆◇

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さて、2位は、エメラルドのパヴェです。

エメラルドは、非常にデリケートな宝石の1つ。

ちょっとした衝撃で、割れたり欠けたりしやすいんです。

チャームのセンターに1石だけ留めるのも神経を使いますが

何個も並んだパヴェとなると、その難度はまた一気に上がります。

個人的に印象深かったのは、隠れた名作スピナースクロールリングのパヴェです。

↓鮮やかなグリーンのパヴェをご覧ください。

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【スピナースクロールリング エメラルドパヴェ】

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サファイアやルビーと比べても、

エメラルドは硬度が低いうえ、ねばり強さもありません。

特定の方向にショックを与えると、スパッと割れてしまうこともあるんです。

爪を倒す際など、力加減に気を付けながら慎重にセッティングします。

腕のいい職人であれば、石を傷付けるような事はほぼありませんが

それでも、加工時の緊張感は、ハンパない石なのです。

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◇◆【1位】リチャードの○○○◆◇

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いよいよ、ライン状パヴェの激ムズ1位です。

皆様、お分かりでしょうか?

1位は“RS3クロスチャーム”です!

これは、クロムハーツのオーナーである

リチャード・スタークが書いたクロスを元に作られたもの。

もちろん“RS”は、Richard Starkの頭文字。

ひたすら小さなメレダイヤを並べていくのですが、

その列を歪まないように留めていくのは、実は至難の業なのです。

というのも、使用するのは直径が0.8mmくらい(約0.003カラット)の石。

NTFLリングや、ジッポーの追いパヴェのダイヤは

直径1.3mm前後(約0.01カラット)ですから、ちょっとレベルが異なるんです。

↓渾身の計105石をご覧ください。

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【RS3クロスチャーム ダイヤパヴェ】

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↓こちらは22KゴールドVer.です。

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【RS3クロスチャーム22Kゴールド ダイヤパヴェ】

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リチャードはファンにサインを求められた際など

“R Stark”と書く隣に、この細長いフォルムのクロスを3つ添えるのです。

石留め職人としては

「なんでこんな長いクロス書くねん~?」

と思ってしまうほど、細長いのですが(笑)

独特のフォルムをした、アーティスティックなクロスです。

この3本、本当に手書きしたクロスを立体化したようで、

1つずつ長さも異なり、幅も均一ではありません。

CADで作った機械的な曲線ではなく、若干ですが手ブレのあるラインなんです。

これはもう、ただただ、左右にズレないようにするのがポイントです。

「単にダイヤ並べていくだけでしょ?」

などと思わないでください。

極小の美しいダイヤの列が完成するまで、

えげつない集中力が求められるカスタムなんです。

というわけで、1列パヴェの第1位は、リチャードの“RS3クロス”でした!

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◇◆パヴェはクロムカスタム工房へ◆◇

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いかがでしたでしょうか?

エタニティリングより、RS3クロスの方が難しいなんて

意外に思った方もおられるかもしれません。

クロムカスタム工房では加工工程をたくさん公開していますが、

はたから見たイメージと、実際の難度は一致しないのかもしれないなと思います。

(↑当たり前やっちゅーねん)

それはともかく、これらのパヴェカスタムも全て

長年の経験と、皆様からのご要望あってこそ実現したもの。

クロムカスタム工房では、これからも、皆様からいただく難題を喜んでお引き受けします。

パヴェカスタム未経験の方も、お気軽に私石津までご相談ください。

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◇◆これぞ石畳◆◇

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では、次回は“面のパヴェ”ランキングをお届けします。

広い面にダーッと、たくさんダイヤを敷き詰める方が

パヴェ(石畳)という名に相応しい?かもしれません。

どうぞお楽しみに…!

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【修理&カスタム料金】

※加工内容により料金が異なります。

 まずは画像をお送りください。

 無料でお見積り致します。

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クロムカスタム工房は

加工件数【4,379件】業界No.1、クオリティーもNo.1です。

◆一級貴金属装身具製作技能士

◆GIA GG(米国宝石学会宝石鑑定士)

両方をあわせ持つ店長の石津が、ご要望にお応えします。

どんなことでも、お気軽にご相談ください。

お問い合わせをお待ちしております。

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2. ホームページ更新情報

クロムハーツ ダガーハートペンダント ピンクサファイヤパヴェカスタム

クロムハーツ ダガーIDブレスレットとロレックスのエアキングで、ウォッチブレスにカスタム

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■編集後記

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

これからも「クロムハーツの修理&カスタム情報」では、

皆さんに役立つ情報を提供できればと思っています。

ご感想・ご意見など、お気軽にご連絡ください。

では、また次回お会いしましょう!!(石津 雅之)

クロムカスタム工房株式会社

代表取締役 石津雅之 (info@kuromu.com)

◆一級貴金属装身具製作技能士◆

◆GIA GG(米国宝石学会宝石鑑定士)◆

546-0041 大阪府大阪市東住吉区桑津5丁目14-1

(TEL) 0120-958-966

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