クロムハーツのカスタムにも影響あり?迫り来るエメラルドの危機とは

エメラルドをカスタム中のダブルダガーペンダント

宝石は、その大半が天然の鉱物です。

つまり、地球が誕生してから

何億年という時を経て育まれてきた

“石”ということ。

そして、それは無限に存在するものではありません。

人間が採掘しすぎると

やがては尽きてしまうものなんです。

なんで唐突に、こんな暗い書き出しなのかと言いますと;

先日、某バラエティ番組にて放送されていた

ある話題が気になったからであります。

それは、近い将来

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“エメラルドが入手困難になるのでは?”

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という内容でした。

まぁ、こういったことは

ただのセールス・トークとして

スルーされるのが常だと思います。

ですが、本当ならば、これは由々しき事態。

今回は、このエメラルド問題について

GIA G.G.(米国宝石学会宝石鑑定士)である

私石津の感じたところを少し書かせていただきます。

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◇◆終わりの始まり?◆◇

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エメラルドの産出地といえば

南米のコロンビアやブラジル、

アフリカのザンビア等が有名です。

現在は、コロンビアが最大の産出国であり

そのシェアは全体の50~60%程度。

ただ、21世紀に入ってから

全体的なエメラルド産出量は減っています。

冒頭の番組内では、

コロンビアへ渡航した経験が300回以上という

エメラルド専門バイヤーのS氏が登場し

こう語っていました。

「底は突き始めている。

エメラルドが入手しにくくなる時代が来るかもしれない」

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◇◆緑の石に魅了された男◆◇

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ちなみに、S氏は現在

40万カラットものエメラルドを

所有しておられるそうです。

換算すると約80 kg。

「ほんまかいな!?」

と思ったのは、私だけではないはず。

私石津の父も、現役時代は宝石商として

あちこち飛び回っていましたが、

買い付ける石は実に多種多様でした。

色んなタイプのハンターがいるもんだなと思います(笑)

皆、自身の惚れ込んだ石に

突き動かされているという点は共通しています。

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◇◆激しいバトル◆◇

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実はコロンビアでは1965~90年頃にかけて

エメラルド採掘権をめぐる争いがありました。

この“緑の戦争”と呼ばれたバトルにより

数千人が命を落としてしまったそうです。

それから30年経った現在では

戦いを勝ち抜いたエメラルド王も引退。

今は、鉱山を受け継いだ息子が

2代目キングとして活躍しているとのことです。

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◇◆お宝は徹底管理◆◇

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しかし、採掘作業は近代化されましたが

初代キングの時代ほどエメラルドは大量に採れません。

昔は鉱夫もチップ代わりに小さい宝石をもらえたのに

そういうことも一切なくなってしまいました。

そんなわけで、ここ数年また不満の声も高まり

新たな抗争が起きるのでは?と懸念されているらしいです。

こういう現場のトラブルは

エメラルド・ショックに繋がる可能性、あります。

~若干ヘビーな話が続きましたのでココで一息~

↓エメラルドのカスタム例をご覧ください。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

【ダブルダガーペンダント ダイヤ&エメラルド】

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↓こちらも目の保養にぜひ。

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【フィリグリークロスペンダントXSエメラルド】

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◇◆カッターを養成すべし◆◇

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またS氏は、供給が減ってしまう原因として

“タジャドール不足”についても指摘されていました。

タジャドールとは、現地の言葉で

“エメラルドの原石をカットする職人”のこと。

原石から宝石に加工できる人間が減ると

市場に出せる石の数も、必然的に少なくなります。

エメラルドのカットというのは

ダイヤとはまた異なった難しさがあるといいます。

それは、エメラルドが特殊な色帯を持っているから。

色が濃い部分と薄い部分を観察し

“どこを削るか?どこを残すか?”

を的確に判断しなければならないのです。

職人が一人前になるには

どの世界でも一定の時間と労力が必要。

大きな課題と言えるでしょう。

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◇◆ベストなカラー◆◇

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エメラルドは、色が深いほど

価値が高いとされています。

ですから、できるだけ濃い緑の部分を

多く残すカット技術が必要です。

それも、石の下部の尖った部分(キューレット)の付近に

深い色が来るようにすることがポイント。

そうすることで、表から見たグリーンは

最大限に鮮やかとなり、価値も上がるのです。

逆に言えば、カットを少しでもミスると

価値を大幅に下げてしまうことになります。

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◇◆GIA豆知識◆◇

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ところで、エメラルドは一般に

クロムやバナジウムの含有量が

高くなればなる程グリーンが強くなります。

また、鉄の含有量が増えれば

青味がかった緑色となります。

鉄の含有量が少ない方が

より純粋なグリーンに近づきます。

色相は、もちろん石の評価に影響します。

ただ、それ以上に

澄んだカラーであることも重要。

白く濁ったように見えるものは、良くありません。

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◇◆今が買い時?◆◇

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産出量と職人の減少。

これらの不安材料を知れば知るほど

エメラルド・ショックが身近に迫っているような気にさせられます。

ただ、私石津が個人的に受けた印象ですが

例のS氏に対しては

「おたく、ちょっと煽りすぎちゃいまっか?」

という感じも、正直します。

いま、私が信頼を置いている老舗宝石店では

“エメラルドの価格が急騰”等という話は聞きません。

昔から“一寸先は闇”といいますから

確かなことは誰にも断言できないとは思いますが;

しかし私は、あれこれ言っても

今しばらくは凪の状態が続くのでは?と踏んでいます。

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◇◆現在の結論◆◇

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「もっと正確に予測できないのかよ?おい」

と言われそうですが(汗)

来年、再来年、そしてもっと先の未来に

エメラルドの価格が上がるかどうかは

やはり断言はできません。

ダイヤ、サファイヤ、ルビーと並ぶ

4大宝石ですから、その人気は不動です。

需要と供給のバランスがどうなっていくのか

心配な方もおられるでしょう。

また今後、日々のリアルな情報があれば

皆様に向けて発信させていただきます。

とりあえず現在

正規品クラスの良質なエメラルドを

ご用意することは可能です。

思い立った方は、いつでも

クロムカスタム工房までご相談ください。

GIA G.G.石津が、ベストな石をお選び致します。

↓ラストにちょっと難度高めのカスタム例をどうぞ!

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【K&TをSKTリングに加工からのエメラルド】

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

参考文献:

『GIA Japan COLORED STONE 15 エメラルド』

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※加工内容により料金が異なります。

 まずは、画像をお送りください。

 無料で見積り致します。

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クロムカスタム工房は

加工件数【4,024件】業界No.1、クオリティーもNo.1です。

◆一級貴金属装身具製作技能士

◆GIA GG(米国宝石学会宝石鑑定士)

両方をあわせ持つ店長の石津が、ご要望にお応えします。

どんなことでも、お気軽にご相談ください。

お問い合わせをお待ちしております。

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2. ホームページ更新情報

クロムハーツ ベイビークラシックダガーリング ダイヤパヴェカスタム

クロムハーツ 22K CHプラスピアスをセーフティーピンにカスタムしてダイヤをカスタム

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■編集後記

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

これからも「クロムハーツの修理&カスタム情報」では、

皆さんに役立つ情報を提供できればと思っています。

ご感想・ご意見など、お気軽にご連絡ください。

では、また次回お会いしましょう!!(石津 雅之)

クロムカスタム工房株式会社

代表取締役 石津雅之 (info@kuromu.com)

◆一級貴金属装身具製作技能士◆

◆GIA GG(米国宝石学会宝石鑑定士)◆

546-0041 大阪府大阪市東住吉区桑津5丁目14-1

(TEL) 0120-958-966

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