縫い針の限界まで!ニット×クロスパッチの高難度カスタム秘話

ニット、クロスパッチカスタム

クロムカスタム工房では

レザー製品のご相談も、たくさん頂きます。

その中でも、相変わらず人気なのが

“クロスパッチ加工”

ウォレット、バッグ、革ジャンetc.

ご愛用のレザー・アイテムに

「クロスパッチを追加してほしい」

という方が増えているんです。

しかし、今回ご紹介したいのは

ニット×クロスパッチのコンビです。

正直なところ、なかなかの難題でしたが…

その裏側をお届けします。

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◇◆ひと味違う、最高級カシミア◆◇

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お預かりしたのは

“ジップアップ カーディガン コーティングニット”

『LUX』シリーズのものです。

主に2015~2017年頃リリースされたので

現在は一部をのぞき、新品の入手は困難です。

このシリーズ、実際に触ったことのある方は

ご存知だと思いますが…

独特の質感が、エッジの効いた雰囲気を漂わせています。

それも、そのはず。

ニットはニットでも、

“ラバー加工を施したカシミア”なんです。

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◇◆“らしさ”を求めて◆◇

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カーディガンには、元々クロスパッチは

1枚も付いていませんでした。

そのままでも、十分クールな逸品ではあるのですが…

「より、クロムハーツらしくしたい」

とのご希望で、左胸に2枚、バックに3枚

それぞれパッチを縫い付けました。

ニットの厚みは5mm以上。

しかも、ラバー加工の特殊ニット。

結論から申し上げますと、

当初のオーダー内容に少し変更を加えての

仕上がりとなりました。

↓まずは、実際の画像をご覧ください。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

【ニット×クロスパッチ カスタム例】

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◇◆クロスパッチの条件◆◇

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私石津は、ここ数年

クロスパッチの試行錯誤を繰り返してきました。

もちろん素材は、正規品と同レベルの

リアルレザーを使用。

クオリティーを保つため

クロスのフォルムを大事にしています。

ここだけの話ですが…

厚みは約1.5mmに調整しています。

正規品のクロスパッチが

ほぼ全て、そのくらいの厚みだからです。

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◇◆レザー・マスターの技◆◇

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レザーは、大阪にある老舗の皮革店で

いつも探します。

そして、良いレザーを見つけたら

店主に漉いて(すいて)もらっています。

『漉く(すく)』というのは

革の裏面を削いで薄くすること。

1.5mmは、かなり薄い方です。

「それ以上は漉けない」

と言われる、ギリギリの薄さ。

そうすれば、ミシンの針も落としやすい、

ということです。

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◇◆クロスパッチ VS 針◆◇

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これで、クロスパッチの厚みもバッチリ。

あとは、レイアウトして縫い付けるだけです。

お客様に画像をチェックしていただき

クロスの位置を決めました。

しかし…!

胸の2枚はクリアしたものの

バックのセメタリー3枚は、困難でした。

クロスパッチの重なった部分を縫う際に

ミシンの針が曲がってしまいました。

枚数が増えると、厚みのある箇所も増え、

針が限界だったんです。

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◇◆LUXの壁◆◇

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やむなく、クロスパッチを横にスライドし

重ならないレイアウトに変更させて頂きました。

クロスパッチ自体を、

さらに薄くするのは物理的に不可能です。

また、ニットがラバー加工されているというのも

針の通りに影響したと思います。

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◇◆クロムハーツの心意気◆◇

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実は、同じタイプのカーディガンで

セメタリーの施されたモデルもあります。

身頃(胴体)一面に

クロスパッチが何枚も付いているものです。

ただ、それも、よくよく見てみると

あまり“重ねずに”パッチが付けられています。

重なっている箇所もありますが

ほんの少し、部分的に2枚が重なる感じです。

そもそも、正規品の縫製を担当した方々も

かなり苦戦したのではないか?と想像されます。

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◇◆さらなる高みを目指して◆◇

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「コーティングニット後裾のパッチも問題ありません。

ネットでも拝見しましたが、クロスパッチのカスタムは、

さすがに素晴らしい仕上がりでした」

このように、お客様も納得してくださり

ホッとしました。

『もっと高度なクロスパッチ・カスタムを可能にするには?』

これは、引き続きクロムカスタム工房の

課題とさせていただきます。

縫い針や、ミシンへの負担も考えると

これ以上のことをするのは容易ではありません。

しかし、まだ何か工夫を重ねる余地が

あるかもしれません。

今後、更にクロスパッチ加工を進化させることができたら

また改めて、皆様にお伝えします。

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◇◆これからもカスタム一筋◆◇

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クロムカスタム工房では、柔軟に

できることの幅を広げていきたいと考えています。

「財布を補修して、もっと長く愛用したい」

「こんな色のクロスパッチ付けてみたい」

「直営店では、対応してもらえなかった」

そんなご希望や、お困りの声に、

スピーディーに対応致します。

(かなりレアな内容であれば

お時間をいただく場合もあります)

まずは、どんなことでも石津まで

気軽にご連絡ください。

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クロムカスタム工房は

加工件数【4,012件】業界No.1、クオリティーもNo.1です。

◆一級貴金属装身具製作技能士

◆GIA GG(米国宝石学会宝石鑑定士)

両方をあわせ持つ店長の石津が、ご要望にお応えします。

どんなことでも、お気軽にご相談ください。

お問い合わせをお待ちしております。

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2. ホームページ更新情報

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クロムハーツ アリゲーター フィリグリープラスウォレット プラスパッチカスタム

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■編集後記

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

これからも「クロムハーツの修理&カスタム情報」では、

皆さんに役立つ情報を提供できればと思っています。

ご感想・ご意見など、お気軽にご連絡ください。

では、また次回お会いしましょう!!(石津 雅之)

クロムカスタム工房株式会社

代表取締役 石津雅之 (info@kuromu.com)

◆一級貴金属装身具製作技能士◆

◆GIA GG(米国宝石学会宝石鑑定士)◆

546-0041 大阪府大阪市東住吉区桑津5丁目14-1

(TEL) 0120-958-966

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