バックナンバー第254号
クロムハーツのリングサイズ直しは何号までOK?&限界超えの対処法とは

クロムハーツの“大幅なサイズ直し”といえば
クロムカスタム工房の専売特許。
今さらですが皆様、このようにご理解いただいておりますでしょうか?
通常、指輪のサイズを変える際は
1~3号くらいのお直しを希望される方が大半です。
その程度であれば、巷のジュエリー工房でも、対応はしてもらえるでしょう。
(仕上がりのクオリティーには差があると思いますが)
ただ、5号以上のアップ&ダウンとなると、話は変わります。
「このデザインでは無理です」
「バランスが崩れてしまいますから」etc.
という風に、断る理由は色々でしょうが
そもそも受け付けていない工房が多いと聞きます。
確かに、100%真円にするのが困難なケースもあります。
あまりに大きく広げたり、すぼめたりし過ぎると
リング自体にヒビが入ってしまうリスクも上がります。
“できれば、引き受けたくない”
と思う気持ちも、分からなくはないです。
しかし、そこを経験と技で、なんとかするのが真のカスタム屋。
今回は、私石津が皆様の無茶振りに一体どこまでお応えできるのか?
そして、限界を超えそうなご要望の場合、解決策はあるのか?
まとめて解説させていただこうと思います。
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◇◆ 1号 = 1mm ◆◇
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まず、リングサイズの基本ですが
1号につき、リング内側の円周は約1mm変わります。
つまり、3号アップした場合は、円周が3mm大きくなるんです。
1mmの差というのは、ジュエリーの世界では結構大きなもの。
着け心地も、ガラッと変わります。
では、さっそくクロムカスタム工房渾身の
サイズ直し最新作を1点ご紹介したいと思いますが…
なんと、あのクラシックオーバルリングを8号アップ!しました。
8号なので、約8mmのシルバーをプラスしたことになります。
↓実際の画像をご覧ください。
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【クラシックオーバルリング 大幅サイズ直し】
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クラシックオーバルリングといえば表の最大幅は約25mm。
クロムハーツの中でも、幅の広さはトップクラスのお品です。
19号を27号にしたんですが、正直なところ
これだけ幅広の大物を8号アップというのは中々の高難度。
サイズ直しの限度というのは、リング幅やモチーフの形状によって変わります。
おそらく、このリングは8号くらいが
ギリギリ限界の一歩手前だったのではないか?と思います。
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◇◆やわらか925◆◇
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では、なぜ、あんなゴツいシルバーリングを8号も広げることができるのか?
といいますと、それは第一に“鈍す(なます)”からです。
クロムハーツのリングは皆様ご存じの通り、シルバー925で作られています。
(※銀の割合92.5%)
銀100%だと柔らかすぎるため、硬い銅などを混ぜて強度を上げてあるんです。
しかし、その925も、バーナーで一定の熱を加えると“軟化”します。
粘り気が出て、曲げ伸ばししやすくなるんです。
このように、地金に熱を加えて柔らかくすることを
“焼き鈍し(やきなまし)”と呼びます。
こういった熱処理をせず、急にリングを広げたりすると
部分的に力がかかって、ヒビが入る恐れがあります。
ポキッといかないよう、硬化したシルバーをほぐしてやるのが重要なのです。
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◇◆8mmのヤマ◆◇
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ただ、なんせクラシックオーバルリングはボリュームがあるため
しっかり鈍しても、8号アップはかなり厳しいものです。
華奢なリングに比べて折れにくいとは思いますが
サイズ棒に沿わせながら、慎重に、ゆっくり、広げなければなりません。
“これ以上広げたら、ヤバい”
という境界線は、経験を積んだ職人なら、手が覚えています。
その感覚を頼りに、目的のサイズまで
とにかく、じわじわと、力が分散するようにサイズを上げていきます。
そして、無事8mm広がれば、あとはシルバーを継ぎ足して整えるのみです。
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◇◆限界超えのK&Tリング◆◇
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一方で、先のクラシックオーバルリングの様に、すんなりいかなかったケースもあります。
それは、K&Tリングの10号アップです。
K&Tリングは幅約13mm程度ですが
お直しの号数が2桁となると、それはそれで、かなり難儀なのです。
次のお品は、リングの腕(手の平側)が弱っていたこともあり
下半分をまるっと作り直す感じで加工しました。
↓実際の画像をご覧ください。
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【K&Tリング 大幅サイズ直し&パヴェカスタム】
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10号アップならば、本来はリングを10mm広げ、
その隙間に10mmのシルバーを足すもの。
しかし、このK&Tリングは長年愛用されていたため
腕が細く、へたっていたんです。
そのため“腕交換”をするのがベストだろうという結論に至りました。
あまり無理めなサイズ直しの場合は、
このようにリングの半分を一新するというのも手なのです。
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◇◆銀は削れる◆◇
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意外に思われた方もいるかもしれませんが
シルバーリングというのは案外、へたってしまうことがあります。
それは、使用頻度や、どんな力が加わったか、
何かと擦れることがあったか等、いろんな要素で変わります。
ヘビーユースしてきたお気に入りのリングが
摩耗によって薄くなっていた…というのは結構ショッキングかもしれません。
ですが、金属も物質ですから、長い時間をかけて削れていくのです。
「あれ?このリング、手の平側が薄くなってる?」
と気付かれたときには、このような腕交換リフォームがオススメです。
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◇◆生まれ変わったダガー2本◆◇
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さて、サイズアップ例を2パターン見てきましたが
大幅サイズダウンのケースも2つご紹介しておきます。
いずれも、ダガーリングのサイズ直しですが
それぞれ6号と11.5号小さくしました。
6号サイズダウンしたリングは、元々ダイヤ入りのお品でした。
加工中にダイヤが外れてしまったため、再セッティングしています。
大幅なお直しの場合は、爪の角度も変わってしまうため
石が取れることもままあるのです。
そのような場合は、もちろん留め直しますのでご心配は無用です。
アフター画像で、仕上がり状態をご確認ください。
↓6号サイズダウンした例です。
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【ダガーリング with ダイヤ 大幅サイズ直し】
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↓11.5号サイズダウンした例です。
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【ダガーリング 大幅サイズ直し
&ゴールド イオンプレーティング ダイヤカスタム】
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◇◆サイズ直し or 腕交換?◆◇
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さて、結論ですが、クロムカスタム工房では
物理的に可能であれば、限界までサイズ直しをお受けします。
しかし、総合的に考えて腕交換の方がベターだという場合は
2番目にご紹介したような加工内容となります。
いずれにしても、できるだけ違和感のない仕上がりとなるよう
最善を尽くさせていただきます。
「指のサイズが変わった」
「違う指に着けたい」
等々、クロムハーツのリングサイズでお悩みの方は
ぜひ私石津まで気軽にご相談ください。
経年でフォルムが変わってしまったご愛用品も
クロムカスタム工房の蓄積されたノウハウで、しっかりメンテさせていただきます。
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↓◆クロムカスタム工房サイズ直し料金一覧
※加工内容により料金が異なります。
まずはLINE等で画像をお送り下さい。
無料でお見積り致します。
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クロムカスタム工房は
加工件数【4,574件】業界No.1、クオリティーもNo.1です。
◆一級貴金属装身具製作技能士
◆GIA GG(米国宝石学会宝石鑑定士)
両方をあわせ持つ店長の石津が、ご要望にお応えします。
どんなことでも、お気軽にご相談ください。
お問い合わせをお待ちしております。
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2. ホームページ更新情報
クロムハーツ ダブルCHクロスペンダントスモール ダイヤカスタム&ゴールドイオンプレーティング
https://www.kuromu.com/chromehearts-double-ch-crosspendant-diacustom-gold-ion-plating/
止まらないお客様の声23(計542件)
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■編集後記
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
これからも「クロムハーツの修理&カスタム情報」では、
皆さんに役立つ情報を提供できればと思っています。
ご感想・ご意見など、お気軽にご連絡ください。
では、また次回お会いしましょう!!(石津 雅之)
クロムカスタム工房株式会社
代表取締役 石津雅之 (info@kuromu.com)
◆一級貴金属装身具製作技能士◆
◆GIA GG(米国宝石学会宝石鑑定士)◆
546-0041 大阪府大阪市東住吉区桑津5丁目14-1
(TEL) 0120-958-966
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