ファスナーに意外な弱点あり?クロムハーツのレザー製品を強化する独自メンテとは
クロムハーツのウォレットやバッグ等
レザーアイテムに使われる“ファスナー”。
皆様、このファスナーのお悩みは、ありませんか?
クロムカスタム工房では、
ファスナーに関するご相談も案外多いのです。
しばしば、クロムハーツならではの
ちょっと難儀なメンテが必要になるからです。
「引き手のダガーが変形してしまった!」
「ファスナーが開かない!」etc.
長い間、愛用しておられる方は
既にこの様なご経験があるかもしれません。
“アメリカ製のタフなレザーアイテム”
というイメージとは裏腹に、特有のウィークポイントがあるのです。
今回は、そんなファスナー修理に関する
ここだけの話をお届けしたいと思います。
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◇◆小さなダガーの宿命◆◇
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まず、1番よくいただくお問い合わせは
引き手に関するもの。
クロムハーツのファスナーの引き手は
ほぼダガーになっています。
そして、その上部の、スライダーと接する部分は
四角い形状をしています。
(※『スライダー』…引き手とともに
ファスナー開閉時にスライドさせるパーツ)
実は、その“コの字型”の棒状のところが
結構、弱いんです。
↓実際の画像をご覧ください。
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【CHウォレット ファスナーの引き手修理】
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パーツ全体がシルバー925製ですが
あの細さでは、それほどタフさを求められません。
やはり、長く使用していると
変形したり、破損してしまうんです。
コの字型パーツを同素材で作って
しっかりロウ付けすれば、なんとか解決します。
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◇◆じわじわ変化◆◇
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「ファスナーを開け閉めするだけなのに
なんで、こんな事になってしまうのか?」
とお思いでしょうか?
実は、ダガーのコの字部分は
スライダーとすれ合うことにより
だんだん細くなっていきます。
金属同士が、コツコツ当たり合い
摩耗(まもう)していくんです。
“磨耗=すり減る”
シルバーが削れて少なくなっていってる、ということです。
あなたの知らぬ間に…(泣)
私石津はクロムハーツの財布を2つ持っていますが
いま、片方が細く、痩せてきています。
↓ダガー上部を見比べてください。
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【CHウォレット 引き手ダガー経年変化】
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◇◆ダガーが消える◆◇
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右の白い財布は、
ダガー上部が細いと思いませんか?
黒い財布のダガーはロジウムメッキをしていますが
それを差し引いても、明らかな差です。
そして、もっと細くなっていくと
ダガーは例のごとく変形してしまうか、
スライダーから抜け落ちてしまうんです。
スライダーには、よく見るとスキ間があります。
そこから、スルッと外れてしまい
気付かないうちにダガーを失ってしまう方もおられるんです。
先の破損した例とは対照的ですが
ダガーが行方不明になるのも問題です。
“銀も摩耗する”
まだ、あまり実感されていない方は
ぜひとも頭の片隅に留めておいて下さい。
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◇◆抜け:破損 = 9:1 ◆◇
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実際、派手に変形するよりも、
だんだん細くなった末にスルッと外れる方が多いです。
引き手のトラブルはおおよそ9割近くが
この“すっぽ抜け”パターンです。
もちろん、これも先の修理例と同じく
パーツを部分的に作り直せばOK。
このような加工は、よくあるレザー修理店では
まず対応されていないと思います。
クロムハーツ専門のクロムカスタム工房へ
オーダーいただくのが1番の近道です。
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◇◆正規品スライダー◆◇
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さて、ダガーの変形とはまた別に
スライダー自体に問題が出てくる場合もあります。
クロムハーツのファスナーは
ほぼ裏側にYKKと書いてあります。
しかし、国内ではあまり見かけないタイプ等
いくつか種類があります。
スライダーの構造が、シンプルな従来型と
少し異なっていたりするんです。
例えば、結構多いのは、スライダー自体が上下2つに分離できるもの。
↓実際の画像をご覧ください。
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【CHウォレット ファスナーのスライダー交換】
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元のスライダーは、真鍮(しんちゅう)製の
上下に分かれるタイプでした。
シルバーカラーのメッキが剥がれて
真鍮の黄色い色味が出てしまっています。
この他に、スライダーの一部にバネが効いているものもあります。
そちらも、若干ややこしい造りで
引き手はグッと差し込む感じで付けます。
いずれも、経年劣化で
パーツ自体の変色や変形が目立ってきます。
「なんで、もっと耐久性のあるスライダーを使えへんねやろ?」
というのが、私石津の素朴な疑問なのですが…(?)
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◇◆YKKにも色々ある◆◇
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クロムカスタム工房でスライダーを交換する際は
クロムハーツ同様にYKKを使用しています。
ただ、同じYKKといっても、日本製の
“1番シンプルで耐久性の高いもの”をチョイスしています。
日本が誇る世界最大のファスナーメーカー
“YKK株式会社”。
YKKは旧社名である“吉田工業株式会社”
(Yoshida Kogyo Kabushikigaisha)
の頭文字からとったもの、というのは有名な話です。
正規品に使われているものは
おそらく米国製のYKKだと思われますが
残念ながら、やや耐久性に欠ける印象です。
パーツが複雑な造りであることも
その一因でしょう。
今後の仕様は、どうなっていくか分かりませんが
現状は、このような感じです。
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◇◆新品以上に快適?◆◇
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ラストに、ファスナーごと交換した例をご紹介します。
こちらも、スライダーは上下に分かれるタイプでした。
↓実際の画像をご覧ください。
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【CHウォレット ファスナー交換】
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「突然スライダーが動かなくなり
ファスナーが開閉できなくなった」
ということでしたが、
これはイラッとするか、悲しくなるか、
あるいはその両方だろうと思います;
このような症状のときは
スライダーが摩耗 or 変形している可能性が高いです。
それでスライダーとエレメント(歯)の間に
スキ間が生じてしまい、かみ合わなくなるんです。
また、エレメントの凸凹の一部が
曲がってしまっている、なんてな事もあります。
ペンチを使って、セルフで調整を試みる方もおられるようですが(?)
いったん不具合が出たものは
パーツの寿命と考えた方がベターです。
末永く、心地よくお使いになりたいのであれば
新しいパーツへ交換することをオススメします。
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◇◆未来を見据えた修理◆◇
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いかがでしたでしょうか?
ファスナーのメンテは
“引き手”と“スライダー”がポイントです。
ウォレットやバッグ、レザーウェアも
皆様の日常に、なくてはならないもの。
いわば、人生の必需品です。
できるだけ快適にお使いいただけるよう
クロムカスタム工房では、耐久性を考えた修理を致します。
「あれ?ちょっと変形してきた?」
と気付かれたら、ぜひ早めに私石津までご相談ください。
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【修理&カスタム料金】
※加工内容により料金が異なります。
まずは画像をお送りください。
無料でお見積り致します。
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クロムカスタム工房は
加工件数【4,158件】業界No.1、クオリティーもNo.1です。
◆一級貴金属装身具製作技能士
◆GIA GG(米国宝石学会宝石鑑定士)
両方をあわせ持つ店長の石津が、ご要望にお応えします。
どんなことでも、お気軽にご相談ください。
お問い合わせをお待ちしております。
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2. ホームページ更新情報
クロムハーツ フローラルクロスIDブレスレットと、ロレックスエアキングでウォッチブレスにカスタム
クロムハーツ メガネ DARLIN 中芯ロー付け修理
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■編集後記
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
これからも「クロムハーツの修理&カスタム情報」では、
皆さんに役立つ情報を提供できればと思っています。
ご感想・ご意見など、お気軽にご連絡ください。
では、また次回お会いしましょう!!(石津 雅之)
クロムカスタム工房株式会社
代表取締役 石津雅之 (info@kuromu.com)
◆一級貴金属装身具製作技能士◆
◆GIA GG(米国宝石学会宝石鑑定士)◆
546-0041 大阪府大阪市東住吉区桑津5丁目14-1
(TEL) 0120-958-966
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